沖縄におけるアカタテハ幼虫の色彩の多様性 大瀧月子(与那原中2年)



アカタテハの幼虫の色の謎に迫る大瀧月子さん。秋には石垣島での調査にもう一度挑戦する=与那原町


個体差の謎 解明目指す


 生物学者の父の研究室を小さいころからたびたび訪れ、研究室で飼育する幼虫の世話もよく手伝った大瀧月子さん。今も昆虫は身近な存在だ。特に沖縄でよく見られるアカタテハは小学生のころから観察を続ける。
 観察していて気付いたのは、幼虫の色が個体によって黒、黒地に少し黄色、黄色が多め、ほとんど黄色-と異なることだ。これは一体なぜなのか。
 大瀧さんの仮説はこうだ。アカタテハは温帯性のチョウで暑い時期は涼しい高地に集まる。暑さ対策として色を変えているのでは-。
 8月には調査のため石垣島の山地を訪れた。ところが暑いからかいくら探しても幼虫が見つからない。大瀧さんによると、アカタテハの生態についてはまだよく解明されていないが、本土への渡りをするのではないかと言われているという。「秋にもう一度調査して、面白い発表ができるようにしたいです」。

一言アドバイス


 昆虫の形態や体色・模様の変異には気温などの環境要因や遺伝要因が考えられます。多くの場所から採集した卵や幼虫をさまざまな条件下で飼育観察するのが一般的です。(安座間)

主催:琉球新報社 共催:一般財団法人 沖縄美ら島財団
〒900-8525 沖縄県那覇市泉崎1-10-3  (c)The Ryukyu Shimpo
本ウェブサイト内に掲載の記事・写真の無断転用は一切禁じます。すべての著作権は琉球新報社または情報提供者にあります。