モモタマナプロジェクトⅡ~モモタマナの実からバイオ燃料をつくる~ 

赤嶺藍、仲里知夏、上江田真衣 那覇国際高校・化学部(2年)



モモタマナの核から抽出したバイオディーゼルを手にする(右から)赤嶺藍さん、仲里知夏さん、上江田真衣さん=那覇国際高校


実用化へ意欲


 街路樹や庭木としてよく見かけるモモタマナ。那覇国際高でも校庭に植栽されている。使い道がなく廃棄される実に目を付け、バイオ燃料作りに取り組んでいるのが化学部の3人。先輩の取り組みを引き継ぎ研究は2年目だ。
 「私も地球にやさしいエネルギーをつくってみたいと思った」と赤嶺藍さん。モモタマナの種から核を取り出し、核に含まれる油の量や成分について調べると、ナタネ油と比較して、成分はほとんど変わらないことも分かった。
 大城伸明教諭の助言も得て、抽出した油脂をメチルエステル化(メタノール、アルカリを混ぜて化学変化させる)し、モモタマナのバイオディーゼルを精製した。上江田真衣さんは「200グラムの核から50ミリリットル精製できた。抽出した油に比べ、バイオディーゼルの熱効率が高いことも分かった」とその成果を語る。今後は実際に実用化が可能か、小さな機械を使っての実験を予定している。
 仲里知夏さんは「モモタマナ以外にも燃料に使えるものがあるはず。発掘したい」と意欲を見せる。「皆の意識が変わらないとエネルギー問題は解決しない。このプロジェクトを普及させたい」と目を輝かせる。

識者コメント


 東日本大震災をきっかけに代替エネルギーの開発が活発になっている。本研究は県内に豊富に生育するモモタマナに目を向けており、大変興味深い。県内ではサトウキビを活用したバイオ燃料が実用化されており、本プロジェクトの成功を期待する。(下地)

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