身近な川(牧港川)の水質調べ Part6桂美貴 沖縄カトリック中学校3年



地元の川をきれいにしようと水質を調べる桂美貴さん=浦添市の牧港川


汚染源の特定目指す


 「小学校4年生のころ、家族で浦添大公園に行った際、公園内を流れる牧港川の悪臭がひどく、ゴミや泡が浮いていた。どうにかできないかと思った」。その体験が、水質浄化について調査するきっかけになった。
 父親の浩史さんが環境科学関連の仕事をしていることもあり、小学生のころから毎月、牧港川を訪れ、上流・中流・下流と簡易キットを使って“定点観測”。目視による水の汚れ具合や透明度、色、臭いのチェックのほか、水質悪化の度合いを示すCOD(化学的酸素要求量)やアンモニア、亜硝酸窒素、リン酸などの量を継続的に記録している。
 「小学生のころと比べると、現在はCODの値はやや低くなって、水質はわずかに良くなりつつあるが、まだ不十分」と美貴さん。最近は観測ポイントを増やし、汚染源特定などを目指している。また、自宅ではペットボトルを使って、活性炭や砂、ろ過フィルターなどで水質浄化の実験を行っている。
 美貴さんは「最近は下水道も整備され、豪雨などできれいになったりしているが、川を浄化するには生活排水をいかに減らすかが大きいと思う」と、地元の河川浄化に期待している。

識者コメント


 川には、「治水」「利水」「生き物の古里」「憩いの空間」としての役割があります。牧港川の環境改善、回復活動に取り組んでいる方々もおりますが、桂美貴さんのこれまでの科学的な継続研究が浄化運動に役立てばと思います。(與儀)

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