テツレイシガイ類の生態(貝の研究パート8) 東江孝太(伊是名中2年)



肉食貝の生態を調べる東江孝太君。研究は、島を離れる中学卒業まで頑張るつもりだ=伊是名村の内花海岸


悔しさばねに調査励む


 海で生き物調べをする兄姉と一緒に、小さいころから海の生き物を観察してきた。研究テーマとする「カラマツガイの仲間と肉食貝の関係」も4年目に。肉食貝であるツノテツレイシガイ、テツレイシガイの産卵の仕組みを解明しようと観察を続けている。
 図鑑などには1個体がオスとメスの両方の機能を持つ「雌雄同体」と書かれているのに、ペアで暮らしている2匹の殻の口の形がいつも違っていることに昨年気が付いた。口の形が違う2個体が交尾をしているのも発見。「雌雄で殻の形が違う」と確信した。
 昨年度は筑波大学次世代科学者養成プログラム「SSリーグ」に選ばれた。同大で今年3月に行われた「つくば科学研究コンテスト」でこの結果について発表したが、大学教授の貝の専門家から「この貝は雌雄同体だよ」と否定された。
 「絶対に証明してやる」と悔しさを力に変え、これまで以上に調査に熱を入れる。伊是名島には高校がないため、島にいられるのは卒業までのあと一年半。「もっと頑張って新発見の感動を味わいたい」と話した。

識者コメント


 継続的な貝の研究、素晴らしいですね。口の形が違う2個体が交尾しているデータを多く集められたら良いと思います。雌雄同体というこれまでの概念を覆すのは容易ではありませんが、これも科学研究の醍醐味です。(與儀)

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