身近な植物を用いた色素増感型太陽電池の起電力を高める研究 浦西中サイエンスクラブ

内嶺由佳子、中川麻衣、東江真志、宮城龍、比嘉良太、兼城慎之介(浦西中3年)



身近な素材を使って太陽電池づくりに挑戦する浦西中のメンバー。自分たちで組み立てる自由な実験を楽しんでいる=浦添市の浦西中


雑草使い発電に挑戦


 急速に普及が進む太陽光電池。使われているのは主にシリコン系太陽電池だ。色素増感型太陽電池はシリコン系より構造が簡単で材料も入手しやすい。これを素材から自分たちで作ろうと取り組む。
 この電池は正極に炭素を使う。まずは身近な雑草を燃やして炭を作り起電力を高めようと挑戦中だ。作業は植物採集から始まる。夏休みにはギンネムやゲットウなどを集めた。「邪魔者扱いされる雑草を使って発電できたら面白い」とリーダーの内嶺由佳子さん。中川麻衣さんは「答えが決まっていないから楽しい」と目を輝かせる。
 実験では、植物をアルミホイルで包んでガスバーナーで焼き、炭を乳鉢ですって粉にして…と地道な作業が続くが「燃やすのも楽しい」と兼城慎之介君と宮城龍君。東江真志君は「自由に実験できるのが楽しい」、比嘉良太君は「賞を取ってみんなで東京に行こう」と意気込む。
 部品の1つ・電導性ガラスの代わりに洗濯のりを使うことも考案した。材料が変われば作業工程も変わるため、新たな課題も増えるが、やる気はたっぷりだ。

識者コメント


 色素増感型太陽電池は構造が簡単で製作しやすいですが発電効率は材料の物性(ぶっせい)と組み合わせに大きく作用されます。良い材料が見つかるといいですね。紫外線(しがいせん)と起電力との関連を調べる場合、色素増感型太陽電池に使われている色素が紫外線を吸収するかも調べてみましょう。(與儀)

主催:琉球新報社 共催:一般財団法人 沖縄美ら島財団
〒900-8525 沖縄県那覇市泉崎1-10-3  (c)The Ryukyu Shimpo
本ウェブサイト内に掲載の記事・写真の無断転用は一切禁じます。すべての著作権は琉球新報社または情報提供者にあります。