西屋部川の水生生物調査II~ エビ類の産卵期と成長を追う 北村育海(屋部中3年)



手つきも鮮やかにエビを捕まえる北村育海君(右)。弟の渓登君も強力な助っ人だ=名護市の西屋部川


川のエビ 知り尽くす


 昨年、一昨年は名護市の屋部川に来る鳥の種類や数を調べた。今年は、小学生のときに調べたことがある川のエビ類に再挑戦。毎月1回、カゴや網を使って多いときには数百匹ものエビを捕まえ、種類を調べてサイズを測っている。
 調査は昨年10月から。大きな個体はその場で記録して放す。小さなものは持ち帰ってアルコールに漬け、標本にして調べる。捕まえるのは楽しいが、数が増えれば「測る作業がすぐにたまってしまう」と苦笑いする。
 毎月の調査では、捕まるエビの数や種類が季節によって違うという。時期によって川の水量や草の生え方も変わるため、エビがよくいた場所から急にいなくなることもあるが「いそうなところが分かる」と言い、問題なしだ。
 卵は年中持っている印象だが「生き物の数が増える春から夏に、卵を持つ個体も増える-などの結果が出たらいいな」と期待している。結果はぼう大なデータを解析(かいせき)した後のお楽しみだ。
 冬の川は寒く、水量の多い梅雨には腰まで水につかる。好きだったエビやカニの料理も「見ただけでアルコールの味がする」と食べられなくなった。それでも「できるだけ多く取って全種類を把握したい」とやる気はなえない。

識者コメント


 野外で成長を追うためには、同一個体と判断するマーキングに工夫が必要。普段の生活場所で産卵期を過ごすとは限らないのでは? また、水質調査と生物調査との関わりが見えません。(瀬名波)

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