オオゴマダラの生態 長濱奈甘乃(与勝緑が丘中1年)



「オオゴマダラ」を増やして、多くの人に見せたいと研究を進める長濱奈甘乃さん=うるま市与那城の自宅


放蝶チョウはどこへ


 小さいころにうるま市主催の放蝶を見た。1000羽近くのオオゴマダラが飛んでいた。その印象は中学生になった今でも強烈だ。いつか調べたいと思っていたところ、サイエンスクラブのことを知り参加した。
 一番、疑問に思うことは「放蝶活動はあちこちで行われているのに、なぜ、オオゴマダラを見る機会は少ないのだろう」ということ。うるま市ちょうちょう愛好会のメンバーにもなり、会からオオゴマダラの幼虫のえさであるホウライカガミや幼虫をもらって研究を進めている。
 幼虫は、ペットボトルの中に入れたものと、鉢に植えたホウライカガミについたままの自然に近い状態のもので、環境を変えたらどうなるか調べた。
 ペットボトルは横にして、表面をくり抜きそこに割りばしでさなぎをたらす形にした。下にはホウライカガミを敷いている。さなぎが落ちて、衝撃で死んでしまうことがあるからだ。
 そういう状態の幼虫を見て「自然のままにしていたほうがよかったのではないか。研究のためとはいえ、普通と違う状態だから死んでしまったのではないか」と迷うこともある。長濱さんはこれまでの研究を通して「命」の大切さも改めて感じているという。

識者コメント


 オオゴマダラの放蝶がよく行われているわりに見かけないのは不思議です。他の異なった色や模様で雌雄の区別はできませんが、尻の部分で判別ができます。放蝶するときの雌雄の割合を調査することができれば手がかりが得られるかもしれません。(與儀)

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