沖縄におけるヌマエビの分布 仲村弘 美里中学校2年



川に棲むエビの生態などを調査する仲村弘(ひろ)君=名護市の大浦川


生態観察、標本作りも


 小学生のころから、沖縄市の比謝川や池でエビを捕って遊んでいたことから、淡水に棲むエビに興味を持ったという。「川のどの場所にどの種類のエビが棲み、どういう生態なのか調べてみたい」と思い、美東中学校「サイエンスクラブ」のメンバーとともに、この夏休みから本格的に活動を始めた。
 県内の自然豊かな川でよく見られるヌマエビは体長1センチ~数センチほど。水温や水流、光量など、種類ごとに好みの環境に棲み、また、水の汚染に弱いことから、清流のバロメーターになるともいわれる。
 8月上旬までに、名護市の大浦川や源河川、大宜味村の平南川などで観察。美東中の比嘉俊教諭の指導を受けながら、川の上流・中流・下流など場所ごとに種類や分布の状況を記録している。
 これまでの観察から、「ヌマエビは淡水に棲むエビだが、わずかながら塩分濃度の高いところに多く棲息しているような感じがする」と仲村君。川での分布を調べるだけでなく、エビの標本も作る予定だ。「家でも飼って成長を観察し、種類を見分けられるようになりたい。エビに関心のある人にもいろいろ教えてあげたい」と、研究の輪が広がることを期待している。

識者コメント


 沖縄では、ヌマエビの仲間約20種類が知られています。水質のほかに、採集場所の川底の様子や水深、水草の有無なども記録すると生息環境をより詳しく把握できます。また、湧水などにすむヌマエビ類も調べてみると面白いと思います。(佐々木)

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