微生物は環境指標生物になるか the 微生物・5/屋良泰斗(美東中学校2年)新城凱生・島袋憂人・森田樹・松元晴輝(1年)



川の水の微生物を顕微鏡で調べる5人=美東中


水質浄化の微生物研究


 理科の授業で顕微鏡の使い方を学び、微生物に興味を持った5人組は、美東中「サイエンスクラブ」の1、2年生。「理科教室にある水槽のコケを顕微鏡で見たら、小さな生き物がたくさん動いていて面白かった」と新城君。そこで、県内の河川にどういう種類の微生物が棲息し、汚い川ときれいな川ではどう違うのか、水質浄化を促す微生物はあるのかを現地調査で探究しようとしている。
 5月ごろから理科の比嘉俊教諭の指導の下、活動を開始。夏休みに入ってからは名護市の源河川や大浦川、大宜味村の平南川などを調査した。サンプル取水して、顕微鏡で見ると、ミカヅキモやミジンコ、ハネケイソウ、アオミドロなど多くの微生物を発見。5人の関心はさらに高まった。
 松元君は「きれいな川にいる微生物と、泡が浮いていたりする汚い川の微生物の分布などを調べて、ほかの人に使ってもらえるデータができれば」と話し、「動物性プランクトンはどんな微生物を食べるのか調べたい」(森田君)、「川ごとに特有の微生物を見つけたい」(島袋君)と成果を期待している。新城君は「顕微鏡で新しい微生物を発見できるような力を付けたい」と意欲的だ。
 5人は微生物のほか、きれいな川と汚い川の水質の成分も調査する予定。比嘉教諭は「3年生になるころまで観察を続ければ、十分な成果が上げられると思う。水質浄化につながる研究になれば」と話している。

識者コメント


 沖縄の淡水プランクトンと水質との関係については、あまり研究が進んでいない分野です。川では時期や場所によってもプランクトンの種類が大きく変わることが予想されます。比較するためには、サンプリング方法を工夫してください。(佐々木)

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