2011年那覇市の気象の特徴~気温、梅雨、台風に注目して~

久手堅正義、宮城圭佑、眞榮田紅亜、中村理乃赤嶺雄飛、高良俊輝、糸数真子、下地彩芽那覇高・自然科学部地学班気象観測グループ(1・2年)



校舎屋上に設置した気象観測装置で、那覇の気象観測を続けている那覇高校自然科学部のメンバー =那覇市の那覇高


台風予想も可能に


 自然科学部は創部4年目。地学班は今年から雨量、台風、雲、紫外線のグループに分かれて地道に観測を続けている。那覇の気候の特徴とその原因を突き止めるのが目標だ。校舎の屋上に設置した気象観測装置が自動的に1時間ごとの気温、雨量、風速、風向、気圧、湿度を計測してくれる。しかし、紫外線や酸性雨の測定、雲の撮影は登校時や休み時間に自分たちで行っている。
 台風グループの糸数真子さん、下地彩芽さんは気温、気圧のほかインターネットで台風の動きを調べた。観測を続けるうちに、気圧配置などから台風が沖縄本島に直撃する、長く停滞する-と予測ができるようになった。顧問の宇佐美賢先生も驚いている。他のグループもそれぞれ雲、紫外線、雨に的をしぼって継続することで興味が増している。
 各グループのデータをまとめるのが、部長で2年生の高良俊輝君だ。観測を始めて1年目なのではっきりとしたことはわからないが「自分も3年生まで続けたい。後輩たちに引き継いで将来何か分かればいい」と継続を目指す。地道に気象と向き合って研究を楽しんでいる。

識者コメント


 近年何かと「異常気象」が話題になる。気象庁では、「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」を異常気象と定義している。毎年のように続く猛暑と暖冬など地球温暖化もその一例である。学校に設置した気象観測装置により観測し、気象庁の観測データ等と比較し解明することは大変興味深い。その結果ならびに、結果に基づく対策等の提案が見えると有り難い。(下地)

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