慶留間島のケラマジカ研究 中村和寛、大村加奈子、渡口怜 慶留間小3年



自分たちで考えたテーマや方法で、島のケラマジカの不思議を調べる慶留間小の3年生=座間味村の慶留間小学校


自分で考え達成感


 学校の伝統になりつつある3、4年生の総合学習「ケラマジカの研究」。4月から約半年間、慶留間島の山を自由に「探検」し、シカの角のとぎ跡や足跡、フンなどを探して、追求したい不思議を探してきた。10月初旬の授業は、自分が調べる課題を決めること。数日間悩んだ結果、大村加奈子さんは「シカの歩き方」、中村和寛君は「足の太さ」、渡口怜君は一番長く苦しんで「身長」に決めた。
 課題が決まれば、次は調べる方法を考える。課題で苦しんだのとは対照的に「草を刈って砂を置き、足跡や体の跡が残りやすくする」「オスとメスの違いも調べる」「身長は、後ろ脚で立ち上がって角とぎをしたとぎ跡の、地面からの高さを測る」…とアイデアはぽんぽん飛び出す。これまでたっぷり自然を見つめてきた蓄積が土台になっているようだ。
 調べた結果を学会などで発表してきた先輩たちが大きな目標だ。「自分で考えて調べるのは達成感がある」(渡口君)、「新しいことが分かれば来年はもっと楽しくなる」(中村君)、「島の動物のことは自分たちにしか調べられない」(大村さん)。全校生徒9人の小さな学校で、学んでいることは大きい。

識者コメント


 ケラマジカについて知りたいことを決め、自分で調べ方を工夫して観察を続ける。学校の伝統が受け継がれ、発展しているようですね。自分のやり方がOKかなとか、先輩たちの疑問を先輩たちと違う方法で調べられないかなども考えてみましょう。(西平)

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