沖縄産胃腸薬を作ろう 福原 毅之、田里 柊、喜屋武良、冨名腰龍信、上地秀和 サイエンスクラブ 美東中3年



県産の農産物を使って胃腸薬作りに取り組む美東中のメンバー=沖縄市の同校


゛飲んべえ゛を救え


 「二日酔いのお父さんが薬を飲んでも治らなかったから」と立ち上がった親孝行な息子たちだ。食べ物を分解する消化酵素を見つけるため、何種類もの野菜などをミキサーにかけてゼラチン、デンプン(炭水化物)、オリーブ油(脂肪)やアルコールと混ぜて変化を確認。カプセルに入れて「薬」を完成させようと考えている。
 材料となる野菜や果物は、酵素が入っているものや市販薬の材料となっているものをインターネットで調べ、リストアップ。手に入りやすさや旬などからパイナップル、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ウコンなどを選び出した。実験の方法を考えるにもインターネットをフル活用している。
 薬品の分量を間違えて失敗することもあるが、そんなときは明るくやり直し。「ダイコンは、ゼラチン、デンプン、オリーブ油とも分解していた」と冨名腰龍信君。だんだん成果が見え始めている。
 メンバーの数人は、地区文化祭などで子どもたちに科学実験や工作を披露する活動もしている。「実験は面白くて勉強になるし、子どもたちも喜んでくれてうれしい」と喜屋武良君。理科を楽しむ気持ちが、世界をどんどん広げている。

識者コメント


 理科の授業で習った消化の実験を応用した方法で、市販の胃腸薬や二日酔いの薬の効果を調べ、さらにダイコンやウコンなど沖縄産の身近な植物(に含まれる消化酵素)を利用した胃腸薬をつくろうという発想がおもしろく、楽しそうな研究テーマです。(安座間)

主催:琉球新報社 共催:一般財団法人 沖縄美ら島財団
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