中城公園に生息するトンボの生態調査 part2~トンボの観察と、ヤゴの体色変化を調査する~

地主園智行(那覇市立天久小3年)

定点観察で変化確認



中城公園のせせらぎでトンボの観察を続けている地主園智行さん=2019年7月、北中城村荻堂

 昨年度から中城公園のせせらぎでトンボの観察を続ける地主園智行さん(8)は、ヤゴの体色が同じ種類でも少しずつ異なることに気が付いた。「トンボになると同じ色なのにどうしてヤゴの色は違うのか」。疑問を胸にヤゴの飼育観察を重ねている。
 昨年公園で採取したヤゴを飼育し、合計82匹の羽化に成功した。その中で、同じショウジョウトンボのヤゴでも緑や茶色、黒、薄い白など体色が異なることに気づいた。育つ環境の明暗で体色が変わるのではないかと予測し、ライトを当てて明るくした水槽、発泡スチロールの中に入れて光の量を抑えた水槽、そのまま育てる水槽と3つの環境でヤゴを飼育した。しかし特に体色の変化は見られなかった。次は、ヤゴの体色がすんでいる環境に適応してると考え、黒っぽい砂、茶色い土、緑のコケなど環境を変えて飼育実験を行う予定だ。「人の手でヤゴの体色が変えられるのか知りたい」と意気込む。
 昨年度に引き続き、週に一度、中城公園でトンボを定点観察する。天候や季節によってトンボの数や種類が変化するのか確認中だ。「去年より今年はトンボの数が少ない」。その原因を探りたいと考えている。

〈一言アドバイス〉


 体色の変化を調べるときは、変えた環境以外の条件(ヤゴ種類、大きさ、エサの種類、水温など)はできるだけ一緒にして調べて下さい。色が変わるのは脱皮の後か前なのかなども調べてみるとよいでしょう。また、なぜそのような色になったのかについても、ヤゴがすんでいる環境から予想してみましょう。(佐々木)

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