竜巻のふしぎ~温帯低気圧に注目して~

玉井大喜(那覇市立曙小4年)

再現装置で仮説検証




竜巻の現象を実験で再現する玉井大喜君=2018年8月、那覇市

 沖縄に多く発生する台風を調べていくうちにそこから派生して、竜巻について興味を持った玉井大喜君(9)。小学2年生から研究を重ねている。昨年は、寒冷前線を再現する装置を制作し、竜巻について実験した。すると発達した積乱雲や強い上昇気流など複数の条件がそろって発生する複雑な気象現象だということが分かったという。
 ただ、自然界の竜巻の多くが反時計回りと言われているが、実験では、時計回りと反時計回りの両方が発生した。竜巻の基になる渦の規則性を見つけられなかったことで疑問が残った。今回は、さらに追究していきたいと意気込む。
 仮説として、竜巻の周りの空気の流れが竜巻の渦の向きを決めるのではないかと予想した。仮説を実証するために温帯低気圧再現装置を作って、温帯低気圧における寒冷前線の状況を再現する実験を行い、竜巻の現象について調べる。
 玉井君は「色んな疑問が次々と湧いてきて、答えもなかなか見つからないけどやりがいがある。制作した装置を使った実験が楽しみです」と笑顔を見せていた。

〈一言アドバイス〉


 実験装置を作るところから研究を始めているのは、すばらしいことです。実験をしているときの温度、湿度、気圧も測定して、渦のできかたとくらべてみましょう。改良した装置での竜巻再現実験、結果が楽しみですね。(古川)

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