公園に見られる鳥類の研究~野鳥の種類・木の実食性・結実・分布~

新垣李珠佳(沖縄市立山内小6年)

“鳥好み”の実探る


鳥の数や食物を調べる新垣李珠佳さん=2018年8月、沖縄市

 沖縄市総合運動公園に生息する鳥類の研究を進める新垣李珠佳さん(12)。鳥の種類と園内の植生との関連を調査している。まず園内遊歩道沿いにある木の種類と本数を調べ、分布図を作成。実のなる6種類の木を中心に鳥の数や種類を確認している。よく見る鳥はメジロやシジュウカラなど。最も人気があるガジュマルには15分間で50匹以上の鳥が飛来した。「鳥の種類問わずガジュマルが一番人気」と話す。理由としてガジュマルがある程度まとまって生えている点と、実が大きさや色、熟す期間などが“鳥好み”なのだと推測する。「調査開始した時期は熟した実が少なかったが今は多いので鳥も増えている」と笑う。今後は植生と鳥の分布の観察を重ねるだけでなく、園内の他の木の実も採取して鳥が好きな実の形状を確認する予定だ。
 沖縄市総合運動公園ではアリーナ建設工事が進み、植物が伐採されただけでなく地形も変わっている。「建設工事で自然が減ったため、そこにいた鳥が移動して調査地点に鳥が増えているように感じる」という。「自然を変えることでそこで生きる生物の生活もがらりと変わってしまう。もっと自然を大切にしてほしい」と話した。

〈一言アドバイス〉


 ガジュマルの果実を小鳥が食べて遠くで果肉を消化した後、種を糞と一緒に出して、そこでガジュマルの種は発芽すると思われます。これを確かめるためにガジュマルの果肉を使ってモヤシの発芽を観察してはどうでしょう。(與儀)

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