沖縄の樹木による大気浄化

宮国孝多、高嶺航太(那覇市立仲井真中2年)

条件変え、植物の力探る


沖縄の樹木による大気浄化
ホルトノキで植物の大気浄化を調べる宮国孝多さん(左)と高嶺航太さん=那覇市


 1年生のときに植物の授業で「気孔」について学び、興味を抱いた宮国孝多さんと高嶺航太さん。街路樹が大気汚染をどのくらい浄化しているのかを調べている。街路樹の葉にマニキュアを塗って剥がし、顕微鏡で気孔の数とその中で汚れている気孔の数を数えてその割合を確認する。「NOx(窒素酸化物)は排気ガスから出るので交通量が多いところが汚れている気孔の割合が高い」と予想を立て、調査に臨んだ。

 交通量や車線数、街路樹の多さを考慮して那覇市と北谷町、名護市の10カ所で調査。実験する木はホルトノキに統一した。最も汚れの割合が高かったのは北谷町の58号線沿いで81%と群を抜いて高く、そこから100メートルも離れていない場所で5%と大きな差がついた。交通量の多さより渋滞の多さが影響すること、街路樹が多い場所では汚れが少ないことを発見した。

 また、実際に街路樹が空気を浄化しているのかも調査。排気ガスを入れたビニール袋にホルトノキを入れて窒素酸化物気体検知管でNOxの濃度を確認すると15ppmから15分後には5ppm、30分後には2ppmまで低下した。「植物は本当に空気を浄化している。他でも実験してどの木が浄化に適しているか調べたい」と高嶺さん。宮国さんは「調査場所を増やしてもっと精密な結果を出したい」と意気込んだ。

〈一言アドバイス〉


 調査する場所や観察する街路樹・植物の種類を増やすことで、研究の大きな進展が期待できます。大気汚染物質は県外からやって来る場合もあるので、特に大陸からの風が強くなる冬場の調査によって、新しい発見があるかもしれませんね。(古川)

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